病気のお話

織田 一昭  

 糖尿病患者または糖尿病と疑われる人が増えています。高血圧症、脂質異常症、肥満症などの 『生活習慣病』をあわせて持つ人も多くなってきました。『生活習慣病』は、これまで続けてきた “好ましくない”生活習慣がその原因となっている場合が多いため、“正しい”生活習慣に切り変えることは 難しいようです。実際、体重を減らそうと思っていても、食べ物の誘惑に負けてしまう人がたいへん多いのです。 今回は、糖尿病と上手に付き合って、充実した生活を続けるための秘訣をお話しましょう。

 まず、食生活では、1).摂取エネルギーを減らす、2).適度な運動を行い、運動消費エネルギーを増やす、 3).太りやすい生活行動を修正する。などがすすめられます。そして、定期的に受診し、血糖値(HbA1c)、 血圧、体重、血清脂質などを測定することが大切です。血糖コントロールを良好に保つことにより、 長期に及ぶ代謝異常の末に、種々の組織に傷害をきたす合併症を防ぐことが出来るからです。逆に、 治療が十分に行なわれないと、網膜症による失明や腎症による透析治療など生活に支障をきたすことになりかねません。 合併症を予防するためには、血糖コントロールが最も重要です。つまり、患者さんの自己管理が鍵となります。 しかし、医療機関が患者教育などを行っても患者さんが途中で治療を止めてしまう場合も少なくありません。
 患者さんは、思うように血糖値が下がらなかったり、医師の期待に応えられないなどの治療結果に対する不安から、 医療機関に足を運ぶことが億劫になることがあります。また病状や治療について医師から納得のいく説明を 十分に受けられず、何度も医療機関を替えたり、周囲の知人に健康食品を勧められ、民間療法に転換して、 本来の治療を中断してしまう患者さんもいます。医師に対して自分の気持ちをうまく伝えられない患者さんに対しては、 看護師、保健師、栄養士、薬剤師、理学療法士、検査技師、医療ソーシャルワーカーなどの医療スタッフに相談してください。

Dr  西岡病院では、毎週木曜日に「健康教室」を、毎年秋に「地域健康教室」などを開催して、地域住民の健康を サポートする活動を続けています。糖尿病患者さんだけではなく、生活習慣病を持つ方々やその家族の人たちも、 多数参加していただきたいと思います。


Dr
織田 一昭 副院長
略歴
1973年 北海道大学医学部卒業
1996年から西岡病院勤務

所属学会、専門医など
総合内科専門医
糖尿病専門医
介護支援専門員(ケアマネージャー)

  織田 一昭 副院長 外来診察日 /月・火・木・金曜-午前
お問合せ先  西岡病院  電話011-853-8322



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