心臓は胸の真中の胸骨という骨のちょうど裏側にあります。「心臓は胸の左側にある。」と思われている方が多いですが、それは間違いで、実際には胸のほぼ真中にあり、
ちょうど握りこぶしくらいの大きさで、少し左側に出っ張った形をしています。
心臓の働きをひとことで言えば、血液を体中に回す『ポンプ』です。
心臓の部屋を作っている壁は筋肉でできており、心臓の筋肉なので『心筋』と言います。わかりやすく言うと、心臓は筋肉の塊です。
筋肉でできているのでポンプとして働くことができるのです。
心臓が動くためにはとてもたくさんの酸素を使います。酸素は血液に乗って運ばれますから、血管がなければ酸素をもらうことができません。
ですから、当然心臓にも自分自身に血液を送るための血管があります。その血管を『冠動脈』と言います。
冠動脈は、大動脈の根もとから出ていて、大きく三本に分けられます。一本は心臓の右側と下側に血液を送っています。
残り二本は根元が共通なのですが、すぐに大きく二つに分かれ、一本は心臓の前側に血液を送り、もう一本は心臓の左横と後ろ側に血液を送っています。
これら三本の冠動脈によって、心臓は必要な酸素と栄養を供給されているのです。
虚血性心疾患というのは心臓の血管である冠動脈の病気で、動脈硬化を基盤として起こってきます。「虚血」と言うのは血液の流れが乏しい状態のことです。
動脈硬化が進んで冠動脈が狭くなってくると血液の流れが悪くなってしまいます。それによって心臓のどこかに血液が足りず酸素不足の部分が生じる病気が狭心症です。
また、細くなった血管に突然血の塊ができて詰まってしまうと、そこから先の部分には血液が全く流れなくなってしまい心筋の細胞は死んでしまいます。
そのようにして起こる病気が急性心筋梗塞です。