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狭心症のはなし
心臓の筋肉に栄養分や酸素を送っている血管を冠動脈(冠状動脈)といいます。この血管の内側に,プラークとよばれるゴミのようなものが堆積し血液の通り道が狭まると, 心臓の筋肉に十分な酸素が供給されず,狭心症を発症します。
狭心症は体を動かした時,例えば地下鉄やマンションの階段を上がる,坂道を急ぎ足で登る,雪はねをする,タイヤ交換をするなどの際に胸がしめつけられるような症状が出現します。 寒い時期にはより症状が出やすく,胸の症状以外に,のどが絞められるような感じ,歯が浮くような感じとして自覚される場合もありますが, いずれも体を動かした時に出現するのが特徴です。
狭心症が進行すると,心筋梗塞を発症することがあります。心筋梗塞とは冠動脈が完全に詰まってしまう病気で,死亡率は約30%です。 生き残っても心臓に後遺症を残す場合が多く,狭心症をお持ちの方は,心筋梗塞発症の予防が重要です。
狭心症の有無は,症状や負荷心電図検査,心エコー検査などから推測されますが,確定診断や治療方針の決定には心臓カテーテル検査が必要です。 狭心症の重症度に応じて,心筋梗塞の予防に必要な治療法(薬物療法,カテーテル治療,バイパス手術)が選択されます。
狭心症は冠動脈の動脈硬化によって生じるため,一度治療してもその数年後に新たな病変が出てくる可能性があります。 そのため,カテーテル治療やバイパス術といった治療を受けた後の,再発予防とその早期発見が重要です。 外来通院でお話を伺いながら,新たな狭心症発症の兆候を見逃さず,検査や治療をおこなうことを心がけています。 動脈硬化は高血圧,高脂血症,糖尿病,喫煙といった生活習慣病によって進行が早まるため,例えば糖尿病のコントロールについては当院の専門医と連携しながら, 患者様がうまく動脈硬化と付き合い,元気に生活できるようサポート致します。
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