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しらかんば(しらかば)花粉症
しらかんば(しらかば)花粉症とは
花粉症は花粉に対するI型(即時型)のアレルギー反応によって起こる病気です。一度、症状がでると(「感作された」といいます)、 毎年、その花粉が飛ぶ季節に症状がでるようになります。本州ではスギの花粉症が有名ですが、北海道ではしらかばの花粉症に苦しむ人が増えています。 しらかば花粉と接触したことがない本州から来た人は、始めの年は何ともなくても、2,3年たって感作されると症状が出始めることがあります。 子供では男性、大人では女性に多く見られます。
どんな症状ですか?
北海道ではしらかばの花粉は4月下旬から6月にかけて飛ぶので、この季節が来るとくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが出始めます。 始めは風邪と紛らわしいのですが、なかなかよくなりません。イライラ、寝不足、集中力の低下がおこり、勉強、仕事や家事がはかどらなくなります。 特にしらかば花粉症では、喘息のような咳やたんが出ることも注意が必要です。これは1気道1疾患(one airway one disease)といって、 同じアレルギーの反応がどこで起こるかによって、鼻や気管支などそれぞれの症状が出るのだと考えられています。そして花粉の飛ぶ季節になると症状が出はじめ、 花粉の増加とともに症状は悪化し、季節が過ぎると自然に消えてゆきます。 道立衛生研究所(http://www.iph.pref.hokkaido.jp)の予測では、 今年はしらかば花粉が多く飛ぶ見込みで、しっかりと対策をとることが必要です。しらかば花粉症の人は口腔アレルギーを起こすようになる事があります。 リンゴやサクランボ,キュウイなどにも反応するようになり、食べるとのどや口がイガイガしたり腫れたりするようになってきます。 時には腫れがひどくなって息ができなくなったり、まれですがショック状態となり命の危険にさらされることもあります。リンゴをいやがる子供への、無理強いは要注意です。
対応策はありますか?
1.花粉を浴びないようにする
「しらかば」のないところに引っ越すか、しらかばを全部抜いてしまうと完璧なのですが…これはむつかしいですね。そこで花粉がつかないよう、 洗濯物やフトンを屋外に干さない。部屋をこまめに花粉をまき上げないように掃除をする。外出時には帽子や眼鏡・マスクなどを着用するなど、 花粉を浴びないよう自衛策をとりましょう。通常のマスクでも鼻にはいる花粉を半分にでき、性能のよいマスクだと1/3程度にできるといわれています。
2.タバコをやめる。うがいをする。
タバコはのどや気管支を傷めます。やめましょう。水でこまめにうがいするなど花粉を洗い流すことも有効と思われます。
3.環境を整える
しらかば花粉症は1980年代後半から急に増えてきています。花粉症がなぜ増えているかについては花粉の増加と、環境の悪化などが原因といわれています。 スギでもそうですが、人間が1つの植物をたくさん植えたため、花粉がたくさん飛ぶようになったことや、自動車の排気ガスなど環境の悪化が原因の1つとして考えられています。 子供や孫の世代が苦しまないよう、よい環境を作っていくことも大切です。
4.早めになじみの病院に行く
症状が出始めたらすぐに、できれば症状が出る前に薬を使い始めると軽くすみます。がまんしているうちにアレルギーによる炎症が続き、こじれてしまうとなかなかよくなりません。 症状からは目、鼻、のどや気管支と眼科、耳鼻科、呼吸器科の領域にまたがり、ひどさもその年の 花粉量によって変わります。このため薬の種類、 使い方は人によっていろいろですが、1気道1疾患の原則で1つの病気に対する治療をしていることを 理解することがポイントです。薬が重なったりしないよう、 毎年のことになりますので、なじみの主治医をみつけてください。花粉症には 抗ヒスタミン薬、ロイコトルエン拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬、 そしてステロイド薬などアレルギー反応を抑える薬が有効です。抗ヒスタミン薬は眠くなる副作用があったのですが、最近は眠くならない薬も開発されています。 ステロイド薬は飲み薬、点滴、吸入、鼻噴霧、点眼などさまざまな使い方があります。それぞれの薬の持つ特徴をよく理解して使い分けることが必要です。 よい薬が出ては来ていますが、しらかば花粉症を治してしまう治療は今のところありません。いろいろな治療法、対処法がありますが、 みなさん工夫して今年のシーズンを乗り切りましょう。夏が来ると必ずおさまります。
しらかんば花粉症についてもっとお知りになりたい方は、石狩湾耳鼻科(間口 四郎先生)のホームページをご覧下さい。
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