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心臓のお話
現在、日本人の死因第2位は心臓病であり、その多くが虚血性心疾患といわれる狭心症や心筋梗塞です。 心臓の筋肉に栄養分を供給する血管を冠動脈といいます。 動脈硬化によりプラークというゴミが冠動脈内に 蓄積し、血液の通り道が狭くなると、心臓の筋肉に十分な栄養がいきわたらなくなります。 この状態で症状を狭心症といいます。
狭心症の典型的な症状は体を動かしたとき、例えば坂道や階段を上る、重い荷物を持って歩くなどした ときに、胸の圧迫感、のどが絞められるような感じ、 左肩が重だるい感じを自覚するといったものです。狭心症の症状は数分から10分程度で軽快することがほとんどですが、頻度が多くなった、持続時間が長くなった、 安静時にも出現するなどは心筋梗塞に移行しやすい不安定な状態(不安定狭心症といいます)の 可能性もあり、注意が必要です。
狭心症が急に進行すると、急性心筋梗塞を発症することがあります。心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まって しまう病気で現在でも死亡率30%という恐ろしい病気です。 生存しても心不全という状態になることも多いため、 狭心症を持っている方は心筋梗塞発症の予防をすることが極めて重要です。
虚血性心疾患の検査は採血、運動負荷検査、心臓エコー検査などを行いますが、より正確な診断をつける ためには心臓のCT検査、カテーテル検査が必要になります。 心臓CT検査は造影剤を点滴から入れながら撮影する方法です。従来の直接心臓に細い管をいれるカテーテル検査に比べると体にかかる負担は最小限です。 狭心症が疑われる方の多くは外来でCT検査を行い、CT検査で冠動脈に病変がある場合にカテーテル検査を行って います。 これらの検査の結果で虚血性心疾患の重症度に合わせた治療(薬物療法、カテーテル治療、バイパス手術)を 選択しています。
狭心症、心筋梗塞になりやすい方は高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などのいわゆる生活習慣病をお持ちの方です。 自覚症状のある方はもちろんですが、このような生活習慣病をお持ちで虚血性心疾患が心配な方は一度循環器科外来を 受診し、ご相談下さい。
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