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肺炎球菌ワクチンの接種
肺炎は4番目に多い死因
日本では1981年以降、60歳以上の死因の第一位は、がん(悪性新生物)で、心疾患、脳血管障害、肺炎の順となっています。
西岡病院は、糖尿病、消化器科、循環器科と並んで呼吸器科がありますから、肺炎の患者さんも数多く受診されます。 2011年1月~12月に肺炎で入院された患者さんは、200人を超えます。
市中肺炎と院内肺炎
発症した場所で市中肺炎、院内肺炎に分類されますが、院内感染は入院後48時間以降に新しく発症したもので、入院病棟には様々な感染症の患者さんが集まり、 感染への抵抗力の低下した方も多く存在するため、薬剤耐性菌、弱毒菌が原因菌となることが多く、市中肺炎とは原因菌が違います。
市中肺炎は普通の社会生活を送っていて罹患する肺炎です。一番多い原因菌は肺炎球菌です。
高齢者や脳梗塞後遺症の方に起こる誤嚥性肺炎の原因菌も、口腔内常在菌と肺炎球菌が多く、市中肺炎の原因菌の30~60%が肺炎球菌です。
高齢者がインフルエンザなどの感染後に肺炎球菌に感染すると重症化することが知られています。この菌への感染対策は重要です。
肺炎球菌ワクチン
不活化ワクチンで、日本での肺炎球菌分離菌の80%に有効とされています。1回の接種で十分に抗体価が上昇します。 抗体価は1ヶ月でピークになり5~8年間保持され、重篤な副作用のほとんどない安全なワクチンと云われています。
5年以上間隔があれば副反応は強くなく、2010年から5年目以降の再接種が認められました。
ワクチンを受けた方が良い方
阪神大震災の時と同様に東日本大震災の後、環境の悪化から3~4週で多くの方が肺炎に罹り、被災東北3県で高齢者肺炎球菌ワクチン接種事業が公費助成をうけ実施されました。 このため札幌ではワクチンの入荷が少なく対応できませんでしたが、2012年3月より接種可能となっております。
全ての肺炎を予防できるものではありませんが、ご希望の方は西岡病院外来でご予約ください。
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