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ピロリ菌 今こそ見つけて治すべし
ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃癌の原因(すべてがピロリ菌のせいではありませんが)として知られています。 少し前までは、実際に胃の中にピロリ菌がいることがわかっていても、ピロリ菌を退治する治療(除菌療法と言います)を全員に行えるわけではありませんでした。 保険診療の対象となるのは主として実際に上述の潰瘍や癌になった方だけであり、それ以外の方で除菌療法を希望される方は自由診療扱いとなり、数万円の負担がありました。 しかし2013年からは、潰瘍や癌がなくても良いことになり、ピロリ菌がいることが確認できればどなたでも保険診療で除菌療法を受けることができるようになりました。 「除菌療法で癌や潰瘍になる人を減らすことができる」ということに国がお墨付きを与えたわけです。将来ご自身が胃癌になってしまったときに、 “若い時にピロリ菌を退治しておけば良かった…”なんて後悔をしないように、ぜひ一度検査を受けに来てください。検査には原則的に胃カメラが含まれます。 胃カメラを敬遠される方も多いと思いますが、当院は苦痛の少ない経鼻内視鏡を使用していますので意外に楽かもしれません。胃カメラとピロリ菌判定検査を行い、 ピロリ菌がいることが確認された場合には1週間の内服治療を行います。治療の成功率は8~9割で、不成功に終わっても次の手を用意しております。 副作用などについては外来でご説明致します。
日本人の50歳以上では約80%の方がピロリ菌を保有している一方で、30歳以下では30%ほどの感染率に留まると言われていますが、 これも決して低い数字ではないと思います(イチロー選手の打率くらい?)。しかも若年者のピロリ胃炎は胃癌発生のリスクが高く、 知らないうちに我が子へピロリ菌が伝染してしまう可能性もありますので、若い人にこそピロリ菌の検査(と除菌)をぜひお勧めしたいと思います。
この記事で将来の胃癌患者さんが1人でも減りますように…
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