1.骨も生きている
大人の体には約200個の骨があります。骨は成長したあとはそのまま、というわけではありません。大人になっても日々、古くなった骨はこわされ、
一方で新しい骨が作られています。このバランスがくずれて、骨が壊れされるほうが作られるより強くなると骨は弱くなって折れやすくなってしまいます。
2.骨そしょう症
骨そしょう症(骨粗鬆症)は骨をじょうぶにしている骨梁(こつりょう:骨の梁)がスカスカになったり、骨の質が悪くなったりして骨が弱くなり骨折しやすくなる病気です。
最近、背中が丸くなってきて背が縮んだ。ちょっと転んで尻もちや手をついただけで骨が折れてしまったという人の中に骨そしょう症が潜んでいます。
足の骨を折ったりして寝たきりになってしまう原因として問題になっています。
3.骨そしょう症の原因
女性ホルモンの減少が骨そしょう症の主な原因とされ高齢の女性に多いのが特徴です。
また宇宙飛行士が長い間無重力の宇宙で暮らしていると骨が弱くなってしまう事からも分かるように、運動不足で骨に刺激が加わらないと弱くなってしまいます。
食事も大切で、カルシウムやビタミンDなど骨に必要な栄養の不足も原因とされています。10代は、骨をどんどん作っていかなければならない時期、
20~40代は一生で骨量が一番多くなる時期で、その後は減らさないように維持しなければならない時期です。若い時期に、
極端なダイエットをして骨に必要な栄養を十分とらなかったり、ホルモンのバランスを崩すようなことがあれば、丈夫な骨ができなくなってしまいます。
このほかに糖尿病や腎臓病、慢性閉塞性肺疾患といった病気やステロイドホルモンの服用なども骨そしょう症の原因とされています。
4.骨そしょう症の診断
身長が縮んでいるかが1つの目印になります。また骨の強さは骨密度をはかることで調べることができます。主な検査にはDXA法、MD法、超音波法の3種類があります。
西岡病院ではMD法(手のレントゲンをとって調べます)で検査をしています。血液や尿の検査で骨の新陳代謝の状態を調べることもできます。
5.骨そしょう症の予防と治療
まずは適度な運動で骨に刺激を与え、カルシウムやビタミン不足にならないようバランスのよい食事をとることが基本です。
しっかりとした骨太な体を作り、維持するよう心がけましょう。病状が進んだり、骨折をしてしまった場合には、進行を抑え骨折を防ぐ薬がいろいろ開発されています。
1). |
ビスフォスフォネート薬
:骨が壊されるのを防ぐ薬です。治療効果がしっかり評価され、骨折を防ぐことが確認されている薬です。飲み薬や注射があります。
飲み薬は胃が空でないと体に吸収されにくいため、起床時、朝食前に飲む必要があります。このため月1回のむように工夫されてもいます。
歯を抜くときにはあごの骨に悪影響が出ることがあり、休薬する配慮が必要です。
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2). |
副甲状腺ホルモン薬
:骨が壊されるのを防ぐ薬です。治療効果がしっかり評価され、骨折を防ぐことが確認されている薬です。飲み薬や注射があります。
飲み薬は胃が空でないと体に吸収されにくいため、起床時、朝食前に飲む必要があります。このため月1回のむように工夫されてもいます。
歯を抜くときにはあごの骨に悪影響が出ることがあり、休薬する配慮が必要です。
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3). |
女性ホルモンに関係した薬
:のみ薬で閉経後の骨そしょう症(女性限定です)に効果があります。
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このほかにもいろいろな薬がありますが、まずは適切な運動とバランスのよい食事を心がけ、骨折とは無縁の骨太な人生を送りたいものです。