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気管支ぜんそくについて
気管支喘息(以下、喘息)はきちんとコントロールすれば、スポーツも普通以上にできるようになります。事実、スピードスケート金メダリストの清水宏保選手も哨息であると聞いています。
私自身も3歳の時に小児喘息を発症し、風邪などが引き金になって喘息発作が起きていました。
日本では喘息で死亡する人数は年間2000人以下(1980年は6370人)になり、減少していますが、患者さんの数は増えていると言われています。喘息は慢性的な気道炎症が原因で気管支(空気を肺胞に運ぶ細い管で、気道の一部)が狭くなり、呼吸困難の発作を繰り返し起こす病気です。 発作はゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)を伴う息苦しきに始まり、ひどい場合には呼吸停止に至ることもあります。喘息患者さんの気管支に炎症が生じると気管支粘膜がむくみ、はれてきます。 喘息発作をすでに起こしている患者さんには、発作を抑えることが最優先されるため、薬物による対症療法が行われることが多くあります。薬剤としては、ベータ2刺激薬(気管支拡張薬)、テオフィリン製剤、副腎皮質ホルモン剤および、抗アレルギー剤等があります。
しかしながら、やはり、喘息はいかにつらい発作を起こさせないようにすることが治療の第一の目的となります。そのつらい発作を起こさせないようにするには吸入ステロイド等によって慢性的な気道炎症を抑えることが必要と考えられています。
最近は、吸入ステロイドと長時間作用型ベータ2刺激薬の合剤が市販されるようになり、更に喘息のコントロールが可能となっています。
喘息の安定のために基本的には、薬剤の定期使用をお勧めします。日常生活の注意点としては、インフルエンザ、風邪を含めた感染症に気をつけて、喘息発作のない生活をしてください。
【喘息のさまざまな原因】
  • アレルゲン(室内のホコリ、ダニ等)によるアレルギー
  • 風邪などによる気道感染
  • たばこなどの煙、冷気、運動、気象の変化
  • 自立神経やホルモン分泌の乱れ
  • ストレスなどの心理的問題


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