毎年のことではありますが冬の道路は凍ってつるつる路面、大変歩きにくい状況です。滑って転倒し足や手首を骨折する事故も冬場に多く発生します。平成18年度の札幌市の統計では、冬期間(12月〜3月)に転倒事故で救急搬送された件数は約900件となっております。男女比では女性の方が転倒により深刻なけがを負う傾向が見られるそうです。
このような話を聞くと、冬は安全なので外出せずに家の中で過ごそうと考えてしまいます。確かに家の中は暖かく、滑りにくく快適ではあります。しかし、確かにご自宅は暖かいですが、テレビの前で座りきりであったり、横になったまま日中を過ごしてしまい、ご飯とトイレの時しか体を起こさないという状況となります。ご自宅で過ごしていたけれど、転倒してしまったというお話をよく聞きます。夏に比べれば、冬は自然と体の運動量が減ります。体の運動量が減ると、それに伴い筋力は徐々に落ちてしまいます。
転倒事故の要因はいくつかありますが、筋力の低下もその1つです。下肢筋力の低下は、バランス能力の低下につながります。ある研究者は、毎日の筋活動が最大筋力の20%以下では筋力は低下していき、絶対安静の状態では1日に1〜1.5%の筋力低下をきたすと報告しています。また活動量の低下により筋力が低下した場合、元の筋力を取り戻すのに2倍近い時間を要するという報告もあります。
現在の筋力を維持するには、毎日最大筋力の20〜30%以上の運動の継続が必要といわれています。家の中での軽い運動でも筋力の維持は可能です。家の中での運動が大変に感じられる方もおられると思いますが、ご自分の最大筋力の20〜30%程度の運動かと考えれば、それほど大変に感じないのではないでしょうか。
ここでは家の中で行える、主に下肢の筋力を使う簡単な運動を3つ紹介します。椅子に座ったまま行えますので、テレビを見ながらでも出来ると思います。1日1〜2回の運動で十分ですので、冬の間の筋力維持のため行ってみてください。
当法人では西岡病院、アメニティ西岡、訪問看護ステーションすずらん、アメニティ美幌にリハビリスタッフを配置しておりますので、運動に関するご質問等などありましたら、お気軽にお声をかけて下さい。
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