病気のお話

辻 彰子  


 エコー検査は人間ドックなどでも試行されており、実際に受けたことのある方も多いと思います。 当院では、腹部、甲状腺(頸部)、心臓エコーを行っています。今回は腹部エコー検査についてお話します。


エコー検査
エコー検査とは

 人間の耳には聞こえない高い周波数の音波(超音波)を腹部にあて、内臓から返ってくる反射波をもとに診断する検査です。 X線撮影のような被爆の心配もなく、苦痛も伴いません。検査の際には仰向けに寝てもらい、腹部にゼリーを塗って行います。 検査時間はだいたい10〜20分くらいです。

何がわかるの

 肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓や下腹部にある膀胱、前立腺、子宮、卵巣などの臓器を見ることができます。 しかし、空気(ガス)は超音波を通しにくいため、胃や腸など空気の多い部分を見るのは苦手です。こちらは、内視鏡検査に任せましょう。 また、お腹のガスや皮下脂肪の多い方も見えづらいため、CTでさらに詳しく検査することもあります。実際に以下に挙げるような病気が見つかります。 (カッコ内は2009年1月、2月に当院でエコー検査をして見つかった頻度です)
肝臓
脂肪肝(31%)・肝のう胞(12%)・肝硬変(1%)・肝癌(0.8%)・肝血管腫(4%)
胆のう
胆のう炎(8%)・胆石(9%)・胆のうポリープ(13%)・胆のう腺筋症(4%)・胆管癌(0.8%)
膵臓
膵のう胞(2%)・膵癌(0.8%)
腎臓
腎のう胞(17%)・腎結石(0.8%)・水腎症(2%)
脾臓
脾腫1%

このように、いろいろな病気が結構な頻度で見つかっています。

エコー検査とは

 お腹や背中が痛い時、血液検査で異常が見つかった時に行います。しかし、膵臓等は沈黙の臓器といわれており、 何も症状がないまま病気が進んでしまうことが多いです。また、胆石があっても痛み等の自覚症状を伴わないこともあります。 ですから、年に1回はご自分の内臓の状態をチェックするため腹部エコー検査を受けることをお勧めします



Dr
辻 彰子 医師
略歴
1991年
札幌医科大学卒業
札幌医科大学第4内科入局
旭川赤十字病院消化器内科
洞爺湖協会病院
町立長沼病院内科
所属学会、専門医など
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会

  辻 医師 外来診察日 /毎週 火曜午前,金曜午前・午後
お問合せ先  西岡病院  電話011-853-8322



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